2024年06月09日（日）
説教：「らくだが針の穴を通る！？」
聖書：マルコによる福音書１０：１７～３１

イエスは、「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい」（25節）と言う。らくだが針の穴を通ることは不可能に近い、いや不可能である。では金持ちは神の国には入れないと断言されたのか。

ある人がイエスを尋ねた。彼は基本的な戒めを忠実に守ってきたと自負する者で「永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか」（17節）とイエスに尋ねる。イエスは彼の心を見抜き「あなたに欠けているものが一つある。行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる」と言われた。彼は悲しみながら立ち去った。永遠の命を求めていたはずなのにそれよりも手放せないものがあった。

お祭りなどの時によく見かける「飴玉つかみ取り」とか、テレビで見たことがある「現金つかみ取り」というイベントがあるが、それは手の大きな人が取れば、結構取れるんじゃないかと思いがち。ところがここにカラクリがあり、大きな手でたくさんつかめばつかむほど、入口の狭さに手を外には出せなくなるもの。この金持ちの人もこれだけは失いたくないと、この世のものをたくさん握りしめて離せないでいるような感じがする。ある本に本当に「針の穴」と呼ばれる低く狭い門があって、そこを旅人が通り抜けるには、らくだから荷物を降ろし、らくだも自分もひざまずくようにして通らなければ通れないのだそうだ。自分の人生にこびりついたすべての重荷を降ろして、この世の富への執着を捨てて、神様の前に謙遜になってひざまずいてくぐる門のようである。

それが神の国に至る「針の穴」と言えるかもしれない。そんなこと誰にもできませんと嘆く弟子たちに、イエスは「人にはできないが神にはできる」とおっしゃった。たくさんの物を握りしめて固くなってしまった心を柔らかにし、すべてを手放してもなお失われない喜びを与えてくださるのは神である。その時、人は「針の穴」をも通ることができるのであろう。実際、神にすべてを委ねて歩む人生こそ、本当の意味で神の国への道に通ずるのではないか。

日本が、世界が、軍事力に頼らない、武器を握りしめない状況を目指さなければ、本当の意味での平和は来ないということでもあろう。この世界は、「らくだが針の穴を通る」ほどに難しい世界と言わざるを得ないが、しかし「人にはできないが神にはできる」というイエスの言葉に希望を見る。主の平和を信じて、私たちに出来る働きを担わせて頂こう。

（神谷）

■過去の説教（バックナンバー）

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米軍基地を抱えるこの沖縄は、「戦後」78年、「復帰」51年が経過しようとするにもかかわらず、基地から派生する事件事故が絶え間なく起き、常に命が危険に晒され人権が軽視され続けています。
2012年のオスプレイ強行配備には、多くの県民が抗議の声を上げ、普天間基地ゲート前の座り込み、シュプレヒコールがなされました。この状況に“私も参加したい”と思っておられるキリスト者も少なくはなかったことでしょう。その思いを踏まえて、普天間基地ゲート前でゴスペルを歌い、抗議のかたちを表し続けています。また、月に一度は辺野古ゲート前でもゴスペルにて抗議を行います。

主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。
彼らは剣を打ち直して鋤とし／槍を打ち直して鎌とする。
国は国に向かって剣を上げず／もはや戦うことを学ばない。（イザヤ書2章4節）

＜行動開始2012年10月29日～＞
毎週月曜日pm6:00-7:00（※状況によって早めに終える場合あり）
2023年の実施期間：1月16日～12月11日
（普天間基地　野嵩ゲート前に集合）

・主催：普天間基地ゲート前でゴスペルを歌う会

E-Mail：futenma.bap@isp.okinawa.jp
「普天間基地ゲート前でゴスペルを歌う会」
ブログへのアクセス：http://futenmagospel.ti-da.net/

普天間教会50年周年記念誌が完成しました。(※一部のみご紹介します)

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